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循環型農業と食(たてがもり・夏記事 再掲)

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◎2008年に発行した「たてがもり・夏」(館ヶ森アーク牧場の広報誌です)の記事を再掲します。
10年前の記事ですが、内容は色あせることなく、
むしろ、食の安全性や日本農業を取り巻く環境などにおいて、
社会の関心が高まっている今だからこそ、読んでいただきたい内容です。

【循環型農業と食】

私は、入社以来30年あまり養豚業に従事してきました。
そのころの社会情勢は、高度経済成長期でもあり、養豚に限らず物は作れば売れた時代で、商品は質より量が一般的な傾向でした。
そのような状況の中でわが社では、質を考え安くて旨い豚肉を消費者の皆さんへ提供しようと、豚の肥育期間に与えるエサに、トウモロコシや動物性原料を使用せず、マイロ・大麦など植物性原料を主体とした飼料を給与することで、上質で美味しい豚肉を作ることができると考え、早くから実践してきました。

また、食品添加物が問題視され、自分たちの子供に安全で安心して食べさせられる食品を自分たちの手で生産・加工・販売まで行おうと考えたのが、館ヶ森アーク牧場構想です。
さらに、食の安心・安全をわが社のコンセプトとし、養豚部門より排出される排出物を堆肥化(有機質)し、土に返すことにより、循環型農業にも取り組みました。

<館ヶ森アーク牧場の循環型農業・一貫生産モデル>

アークのグループ会社の「有限会社 若葉(現:株式会社 若葉)」は平成17年に藤沢町堆肥センターの指定管理運営会社として設立しました。
堆肥センターである「若葉」で良質な有機堆肥を作り、土に返すことにより、地域またわが社の循環型農業は完成します。
私は「有限会社 若葉(現:株式会社 若葉)」の代表に就任し、堆肥作りを始めてから約3年になります。
現在、私が強く感じることは、家畜も野菜も堆肥も、皆生き物だということです。
動物も植物も生と死がありますが、堆肥も微生物によって発酵し生成される不思議で魅力的な産物です。
人を含め、生物が生きるために必要なものの一つが食べ物です。
食べ物の原点が土であり、良い土づくりに必要なのが良質の堆肥です。

私は、化学肥料は「野菜の添加物」と考えています。
野菜を成長させる栄養源であって、健康に育てる栄養源ではないからです。
良い堆肥の中には、数十~数百種類の微生物がおり、土に返すことによって、その微生物が土を作り、野菜の味を作り、健康に生長させる栄養源を作るのです。
良い堆肥で育った健康な野菜、飼料を食することにより、人も動物も健康で生きられると思います。
堆肥作りを通して、地域の皆さんの直接の声を聞きながら、
農家の皆さんに喜んで利用していただけるよう、スタッフと共に良い製品作りをがんばりたいと思います。

(有)若葉 代表取締役 佐々木 信樹(現:相談役)

▼館ヶ森アーク牧場のネットショップもご覧ください。

 

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